1966年に完成した日本初の国際会議場にして、モダニズム建築の傑作。
京都・比叡山に抱かれ、宝ケ池とつながる、台形と逆台形を組み合わせた不思議な建築が、
高度経済成長期の過剰な情熱によって完成した世紀の大建築であることは、あまり知られていない。
丹下健三の右腕であった若き建築家・大谷幸夫が、
戦後の公開コンペで最優秀作品に選ばれ、
2013年に亡くなるまで生涯かかわり続けた、胸はずむ大空間を
『いいビルの写真集 WEST』のBMCが案内する豪華保存版・ビル写真集。
西岡潔の美しい写真と、BMCの独特な視点で堪能できる。
また、全工事費の1%を芸術との協同に充てることを定められた画期的なこの建築は、
それ自体がミュージアムと言っても過言ではない。
そして家具のほとんどを手がけたのは、
イサム・ノグチやブルーノ・タウトらとも親交の深かった剣持勇。
会館のためにデザインされた家具が、会館の複雑な空間の中に散りばめられ、
訪れるたびに新たな発見がある。
本書は、工事関係者や大谷・剣持を知る人々へのインタビューをまじえ、
その魅力をあますところなく紹介する。
なおこの本は、1950-70年代のビルの魅力を発信し続ける
「BMC」の活動10周年を記念して企画制作された。