「当事者から、異議を申し立てます。」
1990 年代に若い女性アーチストによって生まれた写真の潮流―
同世代の多くの女性に影響を与え、一大「写真ブーム」を巻き起こしたムーブメントは、
「女の子写真」と揶揄的に呼ばれた。
性別で写真家をくくる
「技術的につたない」
「半径5メートル以内しかない視野の狭さ」
「機械に弱い女性」。
そして写真賞受賞者の性差を強調し、
女性写真家たちを若さのうちに葬り去ろうとするさまざまな言説を、ジェンダーの視点から検証する。
本書はまた、これまで十分な分析がなされてこなかった1990年代の女性写真家たちがとった
「セルフポートレイト」と「ヘアヌード」写真ブームの関係性についての検討を試みる。
「ヘアヌード」写真ブームとは、一体何だったのか。
撮る側と撮られる側の権力関係に、彼女たちはどう向き合ったのか。
木村伊兵衛写真賞受賞作家・長島有里枝がいま世に放つ。