いまでもふと思いだす、きみのこと。またいつかと願うのは、ささいな日常のことばかり。
いまでも、ときどき──きみとの日々を思い出す。
アイスクリームを注文する声、少し遅れてやってくる姿。
冬の海辺を歩いたこと。眠らずに夜明けを迎えたこと。
いまはひとりで、あのカフェに通っている。
もし、いつかきみの気がむいたなら──
また、いっしょにコーヒーをのみたい。
『いまでも、ときどき』は、かつての恋人との日々を回想する主人公の語りと、
再会の予感をそっと示すイラストが響き合う絵本です。
ユーモラスで親密な語り口が胸に残り、ページを閉じたあとには、
懐かしさと小さな希望が余韻となって広がります。
多くを語らず、記憶と感情の余韻をしずかに浮かびあがらせるダヴィデ・カリと、
セピア色で儚い記憶のなかの風景をえがいたモニカ・バレンゴ。
ふたりが表現したのは、過去に想いを馳せる大人の恋。