かべから にげてきた こどもたちのえが ある日、ぼくらの 町に やってきた。
『みんなで見たこどものえ』は、
ガザの子供たちが描いた作品を通じて始まった心の交流を描いた1冊です。
ガザ地区での過酷な状況を逃れてエジプトに避難している子供たちの絵が、
ある日渋谷区の子供たちのもとに届きます。
届けたのは絵を通じて子供たちの心のケアを続けているミツキさん。
その作品を見た一人の母親(著者)が、イラストレーターのアミイゴさんや
学校の先生たちと協力し、富谷小学校の子供たちに絵を見てもらう場を作ります。
子供たちが見たのは、テレビのニュースでは決して感じることができない生々しい感情と状況。
「ガザの子どもたちは、『自由に』って言われて絵を描いたんだって。」
渋谷区の子供たちはアミイゴさんと対話し、
ひとりひとり感じたことを絵に表現することに挑戦します。
「感じたことを1本の線で表現してみよう」
そうして生まれた構図に今度は
「自分の好きな色だけで気持ちよく塗ってみよう」
アミイゴさんの言葉に、子供たちは自分なりの「自由」を目指し、絵を描きました。
ガザの子供たちが見た景色や感じたこと、
そして日本の子供たちが絵を通じて感じ取った平和への願い。
『みんなで見たこどものえ』は、異なる環境で生きる子供たちの
心の架け橋となった絵の力を伝える、希望の物語です。