出雲族の血を継ぐ登山家はチベットとの運命の縁起の伝説に辿り着く。 出雲神話マニアもチベットフリークも知らなかった新事実がいま明かされる
これは私の偶然の縁による、出雲とチベットに関わる物語である。人生はたわい もない、ほとんど無意味な偶然に満ちているのだが、中には必然としか考えられな いような繋がりや方向性をもたらす出来事もある。無名の庶民であっても、人生の 一瞬に稀有な必然を経験することがある。それらは後にどんどん繋がっていって、 その不可思議さを解明するよりも、ただそのまま受け入れ、何かによって一本の方 向に導かれていたのだと考えた方が楽な場合がある。