現代俳句新人賞作家による待望の初句集。
現代俳句新人賞作家による待望の初句集。2015年から2022年までの284句を収載。石寒太(「炎環」主宰)による挟み込み栞文。
汗引いてゆき百年のシャンデリア
人影のダリアの揺れてゐる故郷
石を生む体の睡り泉湧く
小鳥来るまひるを眠らないやうに
ほほゑめば十一月の木の模様
鮫の歯のうつろ花びらほどひかり
舟は花つめたい顔の揺れながら
卵買ふゆふぐれ蝶に追ひつかむ
著者について
1977年長野県生まれ。「炎環」同人、「豆の木」参加。2015年、第33回現代俳句新人賞受賞。