<サンライト・ギャラリー>を舞台に、 自分らしい生きかたを模索する若者たちの姿。
舞台はアーティスト永井宏さんが湘南・葉山のはずれで
1992年~96年に運営していた<サンライト・ギャラリー>。
海と山に囲まれた湘南で、永井さんの「誰にでも表現はできる」という言葉に背中を押されて、
バブル以降の新しい価値観を求め自分らしい生きかたを模索する若者たちが集い、
この場所からたくさんの才能が巣立っていった。
荻窪の書店「Title」店主の辻山良雄さんは
著書『ことばの生まれる景色』(ナナロク社)で『雲ができるまで』について書いています。
「永井宏の文章をはじめて読んだときの静かな衝撃は、いまでもはっきりと覚えている。
(~略)自分の周りにもいそうな登場人物と、特別なことは何一つ起こらないストーリー…。
「とても気持ちのよい文章だ」と思う一方で、
このような文章がそれまで誰からも書かれていなかったことに驚いた。」
身のまわりの小さな出来事を見つめることで、日々の暮らしがかけがえのない時間に変わる。
ささやかでも自分で表現するということは、生きている実感を人まかせにしないということで、
それが自分の人生を愛する方法になる。永井さんが伝えつづけたメッセージです。
「暮らすこと」をひとつの表現ととらえ、
日々の小さな出来事やささやかなこころの動きを
人と共有してゆくことの大切さを提唱したアーティスト永井宏さん。
クウネル、アノニマ・スタジオ、天然生活など、
2000年代に次々に生まれた<暮らし系>メディアの担い手たちに愛され、
影響を与えつづけた永井さんの初期作品、初版から25年を経て待望の復刊です!
※本書はリブリポート(1997)、その後
ブルース・インターアクションズ(2001)から刊行された同名書籍の新装復刻版です。