保育者の関わりの理論と実践:保育の専門性に基づいて
保育者(保育士や幼稚園教諭等)の言葉は、子どもの人格形成に大きな影響を与えます。しかし、集団の保育で、保育者が子どもたちとどのように関わるかは、とても難しいものです。
本書では「応答的な関わり」「肯定的な関わり」「子どもを尊重する関わり」「安心と安全を守る関わり」など、保育者の言葉と関わりの基本を説明しています。本書の「関わり」は、「言葉かけ」や「声掛け」のような一方向の言葉とは異なる「応答的な会話」が中心です。
本書には、授業や園内研修で活用できる18のスキルアップ演習が掲載されています。一つの演習は20分から1時間程度で行うことができます。演習を行うことで、保育者の言葉の質を高め、子ども・保護者との関わり、同僚とのチームワークの質を高めることができます。
保育者の倫理と不適切な保育にも触れているため「保育者論」のテキストとしても最適です。
本書に含まれるテーマ、内容、演習等
★なぜ、専門性に基づく関わりが必要なのか
1 子どもの「保育」の観点から
2 保護者の「子育て支援」の観点から
3 専門職の観点から
★関わりの原則~子どもでも保護者でも同僚でも実習生でも
1 人間観~人間をどんな存在として見るか
2 支援の目的と価値
3 保育者の姿勢と態度
4 関わりの5つの基本
5 保育者が抱える関わりの矛盾
★大人と子どもに共通する関わりの技術
1 肯定的(ポジティブ)な関わり
2 相手を尊重し自己決定を促す関わり
★乳幼児と関わる技術
1 生活の仕方や社会のルールを知るための関わり
2 子どもの安心と安全を支える関わり
3 子どもの学びを支える関わり
*幼児期の終わりまでに育てたい「話し言葉」のリスト
★集団を対象にした関わり
★チームの質を高める関わりの技術
1 自分の意見や限界を伝える
2 互いの強みと弱みを生かした関わり
★専門職にはふさわしくない関わりをなくす
1 教育と福祉の専門職にふさわしくない関わり
*保育の専門職としてふさわしくない言葉の例
2 ふさわしくない関わりをなくす環境づくり
3 ふさわしくない関わりをなくす専門知識
★関わりの質を高める18のスキルアップ演習(園内研修)
本書は、2019年に出版した『保育者の関わりの理論と実践~教育と福祉の専門職として』(エイデル研究所)に、新たな知見を加え、演習の追加と写真の差し替えや図表等の修正を行って、新たに刊行するものです。