被爆後の市井に生きる人々の姿を活写した代表的長編『人間襤褸』『夕凪の街と人と』ほか、短編「半放浪」、そしてエッセイ九編を収録。

「原子爆弾は近代の世界的な性格破産を示したものだ。
人類はこれからもっと崩れて行き、
最後に精神を破産させてしまうのではないか」
（『人間襤褸』より）

被爆後の市井に生きる人々の姿を活写した
代表的長編『人間襤褸』『夕凪の街と人と』ほか、
短編「半放浪」、そしてエッセイ九編を収録。
大田洋子の作品は、決して忘却してはいけない、
被爆者の記録そのものである。


試し読み
この本に関するお問い合わせ・感想

概要本の内容目次
人間襤褸

夕凪の街と人と

半放浪

海底のような光――原子爆弾の空襲に遭って

一九四五年の夏

『屍の街』序

作家の態度

生き残りの心理

文学のおそろしさ

ノイローゼの克服

行進――死者の魂への共感

十五年たったというけれど

【解説】

「忘却できぬ原爆の記録の継承
――今を問い未来に発信する烙印としての表象」

（長谷川啓）