商品名 : メディアと帝国
メーカー名 : 小鳥遊書房
商品価格 : ¥ 3,700 税抜
無限に広がるメディア・ネットワークの起点を見つめ、 19世紀末アメリカの文化学とその批評的可能性を再考する。
19世紀末、それは映像と戦争の世紀への序章であり、
「帝国アメリカ」が目覚める瞬間に他ならない。
「帝国」とは、中心も境界もない権力形態の別名であり、増殖する網状の欲望に他ならない。だが、
今日、アメリカを表象する「メディア」こそが、網状のネットワークを全開する新世代の帝国ではないのか。本書に収めた13編の論考によって、無限に広がるメディア・ネットワークの起点を見つめ、19世紀末アメリカの文化学とその批評的可能性を再考する。
◉序 メディアと帝国(塚田 幸光)
第I部 アメリカ帝国の明暗(キアロスクーロ)
◉第1章 19世紀転換期アメリカの万博とオリエンタル・ダンス
(宗形 賢二)
◉第2章 ボディビル世紀末:ユージン・サンドゥと帝国の「身体」
(塚田 幸光)
◉第3章 エドウィン・S・ポーターの世紀転換期アメリカ:初期映画と文化ナショナリズムの黎明
(中垣 恒太郎)
◉第4章 帝国崩壊のヴィジョン:『死霊のえじき』と〈スペイン的なもの〉(小原 文衛)
第Ⅱ部 ユートピア/ディストピア世紀末
◉第5章 世紀転換期アメリカにおける支配の欲望:オズ、サンタクロース、ユートピア
(中山 悟視)
◉第6章 イグナティウス・ドネリーと世紀転換期アメリカの終末論的欲望:ディストピア、ポピュリズム、ハルマゲドン
(細谷 等)
第Ⅲ部 多層のアメリカ:絵画、写真、文学
◉第7章 アメリカン・アートの誕生:移民サダキチ・ハートマンと愛国的芸術論
(小笠原 亜衣)
◉第8章 西部表象と帝国主義のポリティクス:19世紀末メディア論に向けて
(小谷 一明)
◉第9章 燃え上がる枠組、消尽する描写:スティーブン・クレインにおける写真的無意識、近接性、死
(髙村 峰生)
◉第10章 逃亡の果ての帝国:エドガー・アラン・ポーの中編小説「ハンス・プファアルの無類の冒険」を再読する
(池末 陽子)
第Ⅳ部 帝国のアーキテクチャ
◉第11章 文化ナショナリズムがかたちを整える時:世紀転換期のアイヴズからハイブラウ表象を追う
(村上 東)
◉第12章 セオドア・ローズヴェルトとマーク・トウェインのアメリカの原理をめぐる闘争:19世紀末アメリカ帝国主義、クロスメディア・バトル、カウンターとしての文学的想像力
(河田 英介)
◉第13章 英国ショップ・オーナーの「居場所」、あるいはグローバル・シティズンシップという夢:消費の帝国アメリカの勃興?
(大田 信良)———————————————————————————————————
索引